2023年度四日市大学地域連携フォーラムが開催されました


2023年度四日市大学地域連携フォーラムが、2024年3月2日(土)13時から311教室にて開催されました。
最初に、岩崎恭典学長・研究機構長より、特定プロジェクト研究の概要と意義についての開会挨拶がありました。
次に、本学が組織的に推進する特定プロジェクト研究3件の成果報告がありました。各研究の概要(発表順)は以下のとおりです。

「地域を拓く未来企業に関する研究」
岡 良浩 (研究代表者・総合政策学部教授)

【報告概要】
四日市地域の企業の中から、社会変化に対応して果敢に未来を拓こうとする企業を未来企業と定義し、次の4社の経営者の経歴等を紹介するとともに、市場変化への対応やデジタルトランスフォーメーション等に関するアンケート調査を依頼した。

・株式会社 PLAN B 浜中俊哉 氏 (在宅介護・看護および訪問介護事業)
・株式会社 メディサポジャパン他 小串拓由 氏 (医療向け情報発信業)
・株式会社 GMC 田村崇史 氏 (保険・経営コンサルティング業)
・株式会社 ATIS 岩瀧太郎 氏 (デザイン業)

後半には、共同研究者である川崎綾子(総合政策学部特任准教授)が登壇し、上記4名の経営者を家業や親元等から「はなれる」をキーワードに考察し、新しさを創出したと解説した。

【報告資料】

「AIを用いた予測・分類システムの開発」
片山 清和(研究代表者・環境情報学部教授)

【報告概要】
AIを用いて、水質予測、売上予測、および外来生物判定を行ったところ、以下の研究成果が得られた。

(水質予測)
・予測システムを構築した。
・従来より高精度の気象データが得られた。
・水温および水温の予測は、ほぼ正確であった。
(売上予測)
・予測精度は比較的良好で、過大に予測することはほぼ無い。
・今後の課題としては、評価関数の再考および気温・天候・イベントデータの追加が挙げられる。
(外来生物判定)
・外来生物判定が高精度で行えることを確認し、スマホで外来生物マップを作成できるシステムを考案し、その一部を作成した。

今後の課題としては、Andoroid向けアプリのアップデートおよびiPhone向けアプリの作成が挙げられる。

【報告資料】

「地域農業遺産「マンボ」とコウモリを通じて構築する環境配慮型農業モデル」
廣住 豊一(研究代表者・環境情報学部教授)

【報告概要】 
地域の貴重な農業遺産であるマンボと、そこに棲息するコウモリに着目し、これらが周辺の農業用水や地下水の品質に与える影響を調査したところ、以下のことが判明した。

・キクガシラコウモリでは、下流の採水地点で圧倒的に環境DNAの検出量が多かった。
・水温は、マンボの方が池より低い傾向があった。地下水路であるマンボは日射や気温の影響を受けにくいと考えられる。
・溶存酸素は、秋に比べて夏の方が高く、過飽和であった。いずれの地点も 3 mg/L(飽和度約30%)以上で、生物生息に影響はないと考えられる。

報告資料】

来場された方々は、アンケート結果からも上記各研究の成果報告には概ね満足されたようです。

本フォーラムは、2024年3月3日付の中日新聞でも紹介されました。中日新聞の記事はこちら(中日新聞のホームページへ移動します)。

本学は、地域住民の方々と連携し、地域課題の解決に今後も取組んでまいります。