
2024年度四日市大学地域連携フォーラムが、2025年3月8日(土)14時30分から311教室にて開催されました。
最初に、片山清和研究機構長より、特定プロジェクト研究の概要と意義についての開会挨拶がありました。
次に、本学が組織的に推進する特定プロジェクト研究3件の成果報告があり、各研究の概要(発表順)は以下のとおりです。

「地域農業遺産「マンボ」とコウモリを通じて構築する環境配慮型農業モデル」
廣住 豊一(研究代表者・環境情報学部教授)
【報告概要】
地域の貴重な農業遺産であるマンボと、そこに棲息するコウモリに着目し、これらが周辺の農業用水や地下水の品質に与える影響を調査したところ、以下のことが判明した。
・コウモリの生息調査では、音声・DNA分析などコウモリへの影響が少ない手法による有用性が確認できた。
・洞穴性コウモリ類の貴重な生息場所としてマンボを残していくことが重要である。
【報告資料】準備中

「実践する総合政策」
三田 泰雅 (研究代表者・総合政策学部教授)
【報告概要】
名張市内事業所の従業員を対象に2024年8月から9月にかけてwebでのアンケートを実施したところ、以下の結果が得られた。
<地域の住みやすさ>
・既婚・子ども有の人、特に女性の満足度が低い
・ジェンダーギャップや育児支援に課題がある可能性
<職場の働きやすさ>
・立地を重視して職場が選択されている
・周囲が質の高い仕事を志したり、自分の意見が職場で重視されていると、勤続意向が短くなる傾向がある
・職場の緊張感がプレッシャーになっている可能性
・一方で成長機会の実感は職場への満足度を高めている
<空き家>
・両親とも死亡している場合のほか、近居の場合にも空き家になりやすい
・別居慣行の普及によって老親の死後に空き家が発生する
・近距離で管理しやすいため空き家を処分する動機づけに乏しい可能性

「先端デジタル技術を用いた地域教育資源のデジタルアーカイブ構築」
黒田 淳哉(研究代表者・環境情報学部准教授)
【報告概要】
本学のスタジオに残されている過去の記録や学生制作の映像作品等多くのアナログメディアのリマスタリングとデジタルアーカイブに着手した。
その結果、下記の成果が得られた。
・テープ表面に付着したカビを無水エタノールと専用のクリーニングクロスを用いて除去することにより、多くのVHSテープが再生可能な状態へと回復し、データ抽出の準備が整った。
・動画や音声を変換するためのコマンドラインツールFFmpegを用いてフレームごとにPNGファイルへ変換し、分割の処理により、映像の各フレームを個別の静止画として取得でき、後の画像解析やAI技術を活用した品質向上作業に適したデータ形式へと変換することが可能となった。
来場された方々は、アンケート結果からも各研究の成果報告には概ね満足されたようです。
本学は、地域住民の方々と連携し、地域課題の解決に今後も取組んでまいります。